自分(の仕事)史 2020年6月8日(月)

(コスメティック=閑話休題)

少し違う話ですが、通産省の時、イランで起こったアメリカ大使館占拠事件を理由に、西側諸国からのイラン向け輸出を全面的に禁止し、日本も、積極的に参加しました。

既契約を除くということだったので、省内に出来た審査委員会での審査を行った上で輸出許可を出すという仕組みでしたが、既契約が増えるのか、輸出額が減りません。

毎月、アメリカ国務省に報告することになっています。担当のワシントン駐在は説明の理由をつけるのに苦労していました。今となれば、申し訳ないことをしたと思います。

輸出統計は、大蔵省(今の財務省)が所管の通関統計と、通産省(今の経済産業省)が所管の貿易統計があります。数値をごまかしたいと真剣に悩んだこともありました。

弾力的な発想の上司でしたが、思い切り叱られました。民主主義の基本には、正確な情報を公開することが大切だということを、役人として覚えておけというものでした。

一回、ごまかすと、とめどなくごまかさなくなってしまい、すべてが信用できなくなってしまい、戦前、どれほど苦労したかと、諭された記憶があります。良い経験でした。

既契約云々という話も、いかがかなとは思いますが、少なくとも、仕事をする上での矜持を教えてもらった気がします。単なる出向者という立場ではありませんでした。

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