(試行錯誤)⇒山手通り
社内OAシステムの導入は、社内システム担当組織としても初めての経験でした。設備や経理など、重厚長大システムの構築経験はあっても、一般向けではありません。
インターネットやWebとの概念が普及し始めたころでしたが、システム部門には、このような発想は薄く、パソコンを軽視し、シンプルなシステム構築は不得手なことでした。
また、大企業のシステム部門は、ベンダーとの間に入る存在だったため、使い勝手第一の、誰でもが使いやすいシステムを創造するという経験はほとんどありません。
OAプロジェクトチームはユーザー目線に立ち、大変な苦労をしてくれました。社員や組織のデータベースも統合されていない中でのプロジェクトXみたいなものでした。
このようなユーザー不在とも言える課題は、残念ながら、今でも解消されているとは言えないようで、2025年問題と言われる重厚長大システム問題は残ったままです。
会議室予約システムや、旅費計算システムなど、今だったら当たり前のものを作り上げるため、部外のコンサルタントにお願いしましたが、実現はまだまだの状態でした。
間に社内システム部門を入れず、実際に構築をお願いしたベンダーとユーザーサイドが直接意見交換や議論をしておけば回り道にならなかったのではと痛感しました。