組織と忠誠⇒帷子橋跡
バブルから大きな事件が発生するころは、30代中盤。地方支社の課長から、本社の広報部報道担当課長でした。入社して10年余、組織の中堅幹部に差し掛かりました。
それまではあたえられた仕事をこなすことがミッションでした。自分で創意工夫しなければならないことがあっても、決められたレールの上を走っているという感じでした。
民営化を経たこのころ、会社を守るという場面が出てきました。報道担当としては、すべてをオープンにするわけにはいきません。犯罪や違法行為でなくても同じことでした。
組織と言っても、人によって成り立っているので、上司の意向を無視するわけにはいきません。理不尽なオーダーだなと思ったとしても、従ったというケースもありました。
さらに上司に説明するだけの目的だったら、多少眼をつむっても大したことはありませんが、会社のミッションやコンプライアンスに抵触することになるとそうはいきません。
このことは、ポジションが上がるに連れ、肌で感じるようになりました。下手をすると、間違っていても従ってしまうということや、上司に殉じるということになってしまいます。
忠臣蔵のような組織にならないようにしていきたいと思って過ごしましたが、部下に忖度してもらったことがないとは言えません。組織と忠誠に気づいたのはこのころでした。