今週の「思いつくまま・・」2019年1月28日(月)

すでに30年近く前になりますが、オランダのアムステルダムで市電に乗った時のことです。混雑した電車が突然、側線のようなところに入線して停車しました。どうしたのかなと思ったら、検札でした。切符を持っていないただ乗りの人を見つけ、電車から降ろし、犯罪者のように連行してしまいました。

当時の乗車方法は、乗る前に切符を用意し、中にある印字機で時間と日付を印字すると有効という仕組みでした。信用システムというのは、こういう罰則と組み合わせて初めて機能を発揮するのだということがわかりました。日本でも、近鉄車内で高校生に対して、車掌が叱責していたシーンに出会ったことがあります。

アムステルダムで、信用乗車システムには、見つかったら大変なことになるという信賞必罰がセットになっているということを目の当たりにしました。近鉄電車の中でも、高校生に対する車掌の叱責とは違うような気がしました。定期での乗り越しや、無人駅からの乗車などは、合法的なことです。

車内放送で、禁煙への協力を呼びかける放送がありますが、禁煙はルールだから、破ると罰則があるという内容ではありません。聞いた人が自主性に協力をしてほしいと言うことが、トラブル回避のためだけでないかと思ってしまいます。ヨーロッパのようなルールを守ることに対する強さが感じられません。

前回取り上げた、ガラガラの駐輪場の横で、他の人もやっているからということで、駐輪場に入れずに、放置されているたくさんの自転車を見ると、誰かの払わずに乗れたという一言で、信用乗車システムが崩れ去るのではないかと心配してしまいます。信頼、信用とセットで、破ったことに対するペナルティが必要だと思いました。

日本人は全員、マナーが良く、思いやりがあって、おもてなしの心を持っているとは言えません。同じ人でも、いろいろな断面、側面があります。勤勉でおもいやりのあるアメリカ人スタッフも大勢いました。人生いろいろではありませんが、人それぞれです。思い込みをやめ、視野を広くすることが大事なのだと思います。

(写真は福井駅前の路面電車です。日本で信用乗車は成り立つのでしょうか)

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